2つの家の住宅ローンを背負っていたI様(長崎県佐世保市)
ダブルローンで返済が困難 → 旧自宅を任意売却して現自宅を残す
メールでのご相談時に、耳が聞こえないとのご報告がございましたので、筆談にてご相談させていただきました。
状況としましては、3年前にご主人様が転勤をすることになり、10年前に購入されたご自宅から引越しすることになりました。
当初、偶然にも良いタイミングで部屋を借りたい方がいらっしゃいましたので、賃料にて住宅ローンの返済をすることができたために、転勤先の通勤圏内でセカンドハウスを購入することにしました。しかし、2年が経過した頃に、賃借人が退去しなければならない事情ができてしまいました。
新たな賃借人を探していましたが見付けることができなかったので、しばらくの間は2軒分の住宅ローンを支払っていましたが、貯金から捻出する時もあり、段々と支払いが厳しくなっていきご相談しました。
当社のサポート内容と結果
2軒分の住宅ローンの返済をしているとのことでしたので、この状況を解消する必要がありました。
その場合、任意売却で1軒だけ売却する選択肢と2軒とも任意売却にて売却する選択肢がありました。しかし、現在のお住まいは、どうしても残したいとのご要望が非常に強かったため、1軒だけ売却する方向でお話を進めることになりました。
但し、1軒だけを任意売却する場合は、非常に大きなリスクを背負うことになる旨、お話をさせていただきました。どのようなリスクなのかと言うと、現在お住まいのご自宅に差し押さえが入ってしまうことです。
差し押さえは、住宅ローンの滞納をおこして売却をする任意売却では、避けることができません。唯一避ける方法としては、住宅ローンの滞納をおこさずに買主を見付け、売却によって発生した負債額分を現金で返済するしか方法がありません。
更に、任意売却にて売却した場合、残った債務の債務整理に関しましても、ご自身名義の不動産を手放さずに個人再生や自己破産で債務を軽くしたり無くしたりすることができません。
現在のご自宅を残す選択をされると、この状況も受け入れるしかなく、残った債務を分割で支払っていく選択をされたとしても、現在のご自宅に差し押さえが入る可能性があるため、ご自宅を売却されない保証は残念ながらないことをお伝えした上で、リスクを覚悟で任意売却を進めることになりました。
販売に関しましては、住宅ローンの残債がかなり残っていたこともあり、保証会社様の売出し査定額が非常に高く、地域相場よりも非常に高い価格からのスタートになりました。
売主様の残債額を減らすためにも、極力高い売買価格で購入者様を見付けることを前提としながら、販売活動の状況報告を保証会社様と行ない適正価格にある程度近づけることに成功しました。
販売価格が下がったことにより、購入希望者様からのお問合せも増えていき購入者を見付けることに成功しました。
感想
聴覚障害者である私達に寄り添い、筆談にて相談にのってくれました。
販売を進めていく中で不安なことがあったときには、LINEで相談にのってくれました。いろいろとサポートしてくださり、本当にありがとうございました。
解説
筆談やLINEでのご相談は、それほどあることではないので新鮮でした。普段、言葉で説明して理解していただいていることを文字で理解していただくことは、こちらとしても勉強になりました。ありがとうございます。
ご相談内容としては、非常にハードな内容でした。今回の場合、聴覚障害者の転勤ということで、理解者が身近にいないといろいろと問題があり、そのため家族で引越すことになり、やむを得ずセカンドハウス購入を選択されたそうです。
家庭ごとにご事情があり、リスクを伴う選択をせざるを得ないこともあるかと思います。そんな時でも、リスクがある選択をそのリスクを理解した上で進めるのであれば、万が一のことが発生した時に、行動に移すことができます。
任意売却は、何らかのリスクを伴う売却方法になりますので、メリットよりもデメリットの説明をしっかりとしてくれる業者の選択が重要と思われます。