[Q&A] 任意売却ができないケースとは?

住宅ローンを組んで不動産を購入していたけれども、病気や怪我、会社の業績悪化で解雇されたなど、様々な原因で住宅ローンの支払いができなくなってしまうことがあります。

そのような場合に、競売にまかせてしまうのではなく、引っ越し代を確保したりするなどのメリットをうけるために、任意売却という手法を用いる方が増えています。

この任意売却ができないケースも実は存在します。
このページでは任意売却ができないケースについてお伝えします。

 

任意売却の仕組み

まず簡単に任意売却の仕組みについて確認しておきましょう。

住宅ローンの支払いができなくなると、法律上は債権者は不動産をつけている抵当権に基づいて差し押さえて競売にかけることができます。

しかし、競売での売却は市場価格の6割~8割程度での競落となるため、債務者としては残債務がより多く残ることになり、債権者としても回収できる金額が少なくなってしまうというデメリットがあります。

そのため、競売によらずに普通に売却活動をして高い値段で売ることで、債権者としてはより多い金額の確保をし、債務者にある程度のインセンティブ(引っ越し代など)を与えるというメリットがある方法が任意売却です。

 

任意売却の時の通常の売却活動との違い

任意売却の時に通常の売却活動と違う点はどのような点でしょうか。

一番大きな違いは、任意売却の時は売却について債権者の同意が必要になるという点です。

つまり競売を避けて高い価格で売却をするために行っている任意売却なので、安く売却されると意味がないので、債権者の意向を踏まえた売却活動を行うことが必須です。

 

任意売却ができないケース

任意売却ができないケースについてはどのような場合があるでしょうか

 

債権者の同意が得られない

前述の通り、任意売却には債権者の同意が必要です。
最近ではほとんどの金融機関が任意売却を認めますが、一部で任意売却を一切認めないという金融機関も存在します。

また、個別の状況によって債権者が応じられないと判断した場合も任意売却することができません。

 

競売の入札がすでに開始している

法律の規定を厳密に解釈すると、不動産競売の開札までに引き渡しをすませれば任意売却は間に合います。

しかし、競売開始決定が出て、すでに入札が始まっているような場合には、金融機関は任意売却を認めないというケースが非常に多いです。

なぜなら、入札が始まってしまっていると改札まで1~2週間しか時間がないため、この時期から買主を見つけるのは事実上困難だからです。

 

不動産の共有者の同意が得られない

よくあるケースが、夫婦で共有名義で不動産を購入したのですが、離婚して夫が自宅から出て行き、慰謝料がわりに妻がそのまま住むことになった自宅の住宅ローンを支払えなくなったような場合です。

共有名義である場合には建物を売却するためにはけいゆう名義人全員の同意が必要で、単独で売却活動はできませんので、そのような場合は任意売却ができなくなることがあります。