[Q&A] サービサー(債権回収会社)とは?

サービサー(債権回収会社)とは、法務大臣の許可を得た、主に債権の回収を専門の業務とする会社です。

従来、弁護士または弁護士法人以外がこの業務は行えませんでしたが、1997年頃に銀行をはじめとした金融機関の不良債権の処理が問題化し、1999年に不良債権回収の促進するためにサービサー法(債権管理回収業に関する特別措置法)が施行されたのです。

特例として、民間でのサービサー業務をできるようになったのです。

 

金融機関とサービサーの関係

金融機関ではそもそも不良債権は悩みの種でした。

回収不能になった不良債権をどうするか、そこでサービサーに債権譲渡し、サービサーは譲渡された価格より多くの債権を債務者から回収できれば、その差額が利益となります。

金融会社も売却すると不良債権を税務上の損金として処理できるため、無税償却の可能や現金化ができ、何より不良債権を回収する時間や手間を省略することができます。

 

サービサーへの債権譲渡

サービサーは金融機関などから債権譲渡を受けますが、このとき、本来の金額より割安で債権を買い取ります。

債権者から回収できる金額との差額が利益となるため、サービサーはより多く債務者から回収しようとなります。そしてサービサーは債務者に対して一括返済を求めてくる場合もあるのです。

 

サービサーの実態

サービサーは、債権回収のプロですので、怖いイメージを持たれる方もいますが、実際には法律に従い債権回収を行います。

国からの厳しい監視があるため、「厳しい取り立て」「何度もかかってくる電話」など、ドラマや漫画のような極端な例はないと言われています。

また、そもそもの債権回収業務を行うためには国からの条件に当てはまらなくては業務できませんので、脅迫・追及などはないと考えていいでしょう。

ただし、あくまでも債権の回収を目的とした会社ですので、合法の範囲で積極的な請求をしてくることは間違いありません。

なお、債権回収会社として許可が出るには、以下の3点が必須条件となります。

①資本金が5億円以上
②取締役に1名以上の弁護士がいる
③反社会的組織(暴力団等)とかかわりがない

 

サービサーに債権譲渡されてしまったら

しかし、サービサーまで債権が流れてしまっている方は、返済は困難な方が多いと思います。
サービサーから督促が来た場合、現状を伝え、交渉することが大切です。

基本的にはサービサー側も全ての債権を回収できるとは思っていませんが、厳しい対応になることもあます。

なお、住宅ローンの場合は、サービサーに債権が譲渡された時点で、原則として残っているローンを一括請求してきます。そして返済ができないと不動産の競売を申し立ててその売却資金で債権の回収を図ってきます。

従って、サービサーに債権譲渡されてしまった場合は、自宅が競売にかけられる前に任意売却などの対応を早急に検討しなければなりません。

サービサーによっても方針が異なりますが、基本的には競売よりも任意売却の方が高く売れてサービサーとしても回収額が増えるため、任意売却に応じる会社がほとんどです。

ただし、一部のサービサーは任意売却に応じなかったり、自社のお抱えの不動産会社を指定してくる場合もあります。