[Q&A] 債権譲渡とは?
債権譲渡とは、債権の内容を変えずに債権者の意思によって第三者に債権を移転させることをいいます。
例として、A社はBさんに100万円貸しているとします。A社はBさんから100万円を返してもらう権利(債権)を持っています。
このとき、A社が持っている債権をC社に譲渡したとします。
すると今度はC社がBさんから100万円を返してもらう権利を持つことになります。
これが債権譲渡です。
債務者側Bさんから見れば、債権者(返済先)がA社からC社に変わるということになります。
なお、債権譲渡に関しては、民法で「債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。」と記されており、債権を譲渡することは法律上も認められています。
債権譲渡された際の任意売却
住宅ローンが滞ってしまい、債権回収会社などに債権譲渡された場合、その後の手続きは元々住宅ローンを借りていた銀行ではなく、譲渡先の債権回収会社(サービサー)とやり取りをする必要があります。
債権譲渡はまず銀行側からその通知が届き、その後譲渡先の債権回収会社から請求されるようになります。
当然ですが債権譲渡された先の債権回収会社へ返済ができないと、その会社に自宅を競売にかけられてしまいます。
そうなる前に任意売却をするのであれば、銀行ではなく債権譲渡先の会社に申出をする必要があります。
譲渡先の債権回収会社の方針によりますが、多くの債権回収会社は任意売却を認める傾向にあります。
任意売却の後の残債が債権譲渡された場合
自宅の売却価格よりもローン残高が上回る場合は、任意売却しても残債が発生します。
その残債は債権者が債権回収会社(サービサー)に債権を譲渡されることが珍しくありません。
近年では保証会社を利用していないネット銀行などが多く、この債権回収会社に不良債権を譲渡することがあるのです。
残債が債権譲渡された場合は、その返済について譲渡先の債権回収会社と返済方法を相談して決めていくことになりますが、返済方法について合意ができない場合は弁護士に相談するのも方法のひとつです。
債権回収会社(サービサー)はどんな会社か?
債権回収会社は借金など債権の回収を主な専門業務とする会社でサービサーとも呼ばれます。
サービサー法という法律に基づき、法務省の営業許可を受けた会社のみが行えます。認可を受けている債権回収会社は、金融会社の子会社や関連会社が多いのが特徴です。
なお、あくまでも法務省の認可を受けている会社ですので、漫画やドラマのような違法で過激な取り立てはありませんのでその点はご安心ください。
しかし、この債権回収会社によっては、(合法の範囲で)取り立てが厳しい会社や、分割返済に応じない会社もあります。
もし分割返済に合意してもらえないようであれば、弁護士にご相談されることをお勧めします。