[Q&A] 成年後見とは?~認知症の方の任意売却

成年後見とは、判断能力が不十分なため契約等の法律行為を行えない人を家庭裁判所で定めた後見人等が代理し、本人の保護・支援を図るものです。

認知症などにより判断能力が低下してしまうと、任意売却はもちろん通常の不動産の売却などといった契約行為ができなくなります。そのような場合に成年後見人を立てる必要が出てきたときの制度です。

この後見制度には「後見」、「保佐」、「補助」の3つがあります。類型により、後見人等に与えられる権限や職務の範囲が異なります。※精神上の障害により判断能力を欠く常況の重い順に、後見、保佐、補助です。

また、成年後見人がついた方を「成年後見人」と言います。

例えば痴呆症や認知症に陥ってしまった人が任意売却を進めるというような場合、自分にとって一方的に不利な内容の契約を結んでしまう可能性があります。

そのため、成年後見人をつけ、トラブルを未然に防ぐのです。

 

後見開始の請求(補助開始)について

後見開始の請求ができるのは、「本人」、「配偶者」、「4親等内の親族」、「未成年後見人」、「未成年後見監督人」、「保佐人」、「保佐監督人」、「補助人」、「補助監督人または検察官」とされています。

 

後見人には次の者はなることが出来ません。

「未成年者」、「家庭裁判所で免ぜられた法定代理人・保佐人又は補助人」、「破産者」、「被後見人に対して訴訟をし、又はした者並びにその配偶者及び直系血族」、「行方の知れない者」

 

成年被後見人の任意売却

認知症などで判断能力が低下してしまうと、本人の意志だけで任意売却することができなくなってしまうため、成年後見の申立が必要になります。

任意売却を進めていくためには、成年後見を申し立てたうえで成年後見人とともに進めていくことになります。

また、民法第859条の3には、「成年後見人は、成年被後見人に代わって、その居住の用に供する建物又はその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。」とされており、任意売却を進める際には家庭裁判所の許可を得ることが必要です。

 

もしご親族などが認知症になってしまい、住宅ローンの返済が難しい場合は、「成年後見が必要か」あるいは「成年後見を申し立てたうえで任意売却した方が良いのか」など、それぞれのご状況に合わせた専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。

当社では成年後見の手続きを行ってくれる司法書士とも提携しておりますので、お気軽にご相談ください。