[Q&A] 競売の執行官が来るとどうなるのか?

住宅ローンを滞納してしまって自宅の競売が申し立てられてしまうと、裁判所が任命する執行官が自宅の現地調査にやってきます。

ではこの執行官が来るとどうなるのでしょうか。

 

執行官の訪問の時期と目的

執行官は突然来るのか?どのようなことをするのか?など具体的なことはあまり知られていませんが、いきなりやってきてその日に突然自宅から追い出されるということはありません。

まず、「競売開始通知」が届いた後、指定の日時に執行官が自宅へやってきますというお知らせが届きます。
これが「現況調査の通知」です。

通知後1~2カ月程度で、執行官と評価人が不動産の調査のため室内の写真を撮ったり、関係者に話を聞きに来ます。それをもとに競売価格基準価格の設定がなされるのです。

なお、訪問日は事前に裁判所から書面で送付され、立ち会いを求められます。
もし仕事などで日程がどうしても合わなければ、事前に裁判所に相談すれば日程を多少前後させてくれます。

 

執行官の訪問を拒否すると…

 

立ち入りを拒否することはできない

執行官は裁判所に任命されており、競売不動産に立ち入って調査をする正式な権限を持っています。

従って、この執行官の立ち入りや調査は拒否できず、法律に基づいた強制的なものなので、妨害しようとすると公務執行妨害で犯罪になってしまいます。

(なお、裁判所HPには「執行官は,職務を行う際に抵抗を受ける場合には,その抵抗を排除するために警察の援助を求めることができる」とあります。)

鍵をかけておいても無駄

自宅に鍵をかけておいても、執行官は鍵を解除して強制的に自宅に侵入します。
そのため、訪問日に留守にしていた場合は、鍵を解除して勝手に家の中を見て帰ります。

場合によっては鍵を壊されても文句が言えませんし、鍵の解除にかかった費用もあとで請求されてしまいます。

以上の理由から、できる限り執行官の調査には協力しておいた方が無難でしょう。

 

執行官はどんな人か?

執行官と言うととても怖いイメージをお持ちの方もいらっしゃるようですが、彼らは裁判所からの任命を受けて不動産の調査をしに来るだけです。

滞納してしまっているローンの取り立てはしませんし、ましてや手荒な真似は絶対にしません。
あくまでも粛々と不動産の調査をして、事務的な質問をして帰っていきます。

ちなみに執行官に当日聞かれる質問は「家で壊れている場所はないですか?」「あなた以外に誰が住んでいますか?」など、ごく一般的な事務的な質問です。

 

執行官訪問後でも任意売却が間に合う可能性も

後日、現況調査の結果は資料にまとめられ、裁判所やインターネットで公開されます。
競売は、事前に物件の内覧ができないので、この資料が参考にされるからです。

インターネットでは室内を撮った写真も掲載されてしまうので、プライバシーが守られるということがありません。また、精神面的にも家が競売になっているという不安な状態のまま過ごさなくてはいけません。

こうして執行官が自宅にやって来る段階だと、すでに「競売」に向けて着々と進んでいるということですが、この段階であればまだ、「任意売却」への移行も間に合う可能性があります。

ただし、残された期間は短い為、一刻も早く任意売約への手続きに入らなくてはいけません。

債権者側も、少しでも多く債権を回収したい為、競売を避け、任意売却に同意してくれますので、1日でも早い対応をお勧めしています。

弊社では、現況調査に来た段階からでも強制競売を取り下げ、任意売却へと移行させた経験は多数ございます。
ぜひ、一度ご相談下さい。